まさりんの資材置き場

訳あって、こちらに載せたいものを載せます。・

結婚って、ほぼすべての結婚で苦労するので、楽な結婚を探すのは無駄だと思う。

 

 休日まさりんです。

 休日なんですけど、家人不在にて、ブログを書いています。結婚生活について考えることしきり、というシリーズです。TSUTAYAで映画「ゲゲゲの女房」を借りて見てみました。その感想を書きます。

 このお話の面白いところは、作者の自伝ではなく、作者の家族、配偶者の伝記だということです。作者の理解者でもあり、一番厳しい批評家でもある家族。本当はそういう関係が理想的だと聞いたことがあります。

 私の妻も、私の駄文を読みます。読みたがります。読んで、誤字脱字のチェックをするのが妻の仕事です。私はこの類いのミスが多いので。その際に、私の文章を褒めたことがありません。別に良いのです。ケチョンケチョンに言われるよりは。彼女も昭和の女です。叱るのは得意なのですが、褒めるのは苦手らしいです。

 さて、水木しげるの奥さんは一体どういう人か。見てみましょう。

 

ゲゲゲの女房 [DVD]

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1,あらすじ

  島根県に育ち、二九にもなって結婚をしていない布枝は、鳥取県出身の武良茂とお見合いをして結婚をする。お見合いの時には、傷痍軍人として年金がもらえて、裕福な家庭であると言われていた。が、東京武蔵野市の武良家の家計は火の車だった。質にものを入れて、米代を稼ぐ、貸し本屋に出す漫画を書いていた。ただ、その原稿料は「暗くて売れない」という理由から値切られる。約束であった年金は、鳥取県の武良の実家が受け取っていた。

 戦後皆が苦しい時期から、高度経済成長の時期に入った。茂が書きたい妖怪漫画はますます受け入れられなくなっていた。時代から減少していた、餓死者が周囲に出る始末。税務署員がやってきて、「この収入で家族三人が暮らせているとは思えない」といわれるまで困窮していた。

 漫画を取り巻く環境は週刊誌での連載が主流になっていた。マガジンで「ゲゲゲの鬼太郎」が始まる前夜までを描く。

2,感想

 布枝は最終的にだまされた形なので、島根の実家に戻っても良かった。坂井真紀演じる姉もそれを心配している。しかし、この時代の女性が嫁ぐというのは、後戻りできないという感覚が強かったのだろう。布枝は武良で踏ん張ることを誓う。その後、水木しげる紫綬褒章、旭日小綬賞、文化功労者、数々の名誉市民などになり、出生地境港には水木しげるの街に作り替えられた。そんな人間になるとは思わなかっただろう。

 ただ、名作「悪魔君」を書いた時期、それを読んで、「おもしろい」と感じていたことから、水木しげるの漫画をおもしろいとは思っていたのだろう。私はその一点が布枝を茂のもとにとどめた理由なのではないかと思う。作り手にとって家族は一番厳しい批評者になることが多いらしい。だから、本当に良作だったのだ。もちろん身びいきもある。

 不遇な時代が長かった水木しげる。布枝が彼を支えられたのは、作品に対してきっと良き理解者だったからではないか。布枝自身が島根の出身で、妖怪の存在が身近であったこと。だから、妖怪話の面白さが理解できた。劇中、水木自身が自分の作風を捨てようとした瞬間があった。だが、時代のほうが変化した。高度経済成長のひずみが出始めたのである。時代が、明るいだけではない、影の部分を欲した。そして、鬼太郎にその役目が振られた。ぎりぎり間に合った、見ててそう感じた。

 

 結婚に対して、昔は三高「背が高い、収入が高い、高学歴」が条件とされた。しかし、日本人の数%しか高収入の人間はいない。だから、「あとは落ちるだけ」とも言える。背が高い、は幸福な結婚生活にはなんの役にも立たない。これは「落ち」だろう。高学歴も、もう「英語を話せる」くらい珍しくない。こういう話を見ていると、また実際に結婚生活を送っていると、幸福になれる条件というのはまるでなく、しかも多種多様な家族がいるので、条件を提示することすら困難だと思う。

 理想なのは、好きな人と結婚生活を「なんとかする」というのが実際の結婚生活なのかもしれない。旦那の稼ぎがなければ、嫁も稼げば良い。みながそうしていけば、男女の収入格差もなくなっていく・・・・・・、かもしれないし、そうでないかもしれない。でもそうするしかないのである。

 それにしても、ちょっと暗い話になっているけれども、もしかすると、水木しげる側から書いたら、もっと牧歌的なものになったかもしれないなと思う。奥さんも、水木しげるも、どこか陽気でのんきな所があったから、ああいう生活に耐えられたのかもしれないなあ。

 吹石一恵水木しげるが描く女性に似ているから選ばれたのだろうか。猫娘っぽいでしょ。

3,基本情報 

ゲゲゲの女房

原作:武良布枝

監督:鈴木卓爾

配役

武良布枝吹石一恵

武良茂(水木しげる):宮藤官九郎

田所初枝(姉):坂井真紀

飯塚只子(兄嫁):平岩紙

飯塚長兵衛(父):沼田爆

飯塚ミツ(母):天衣織女

佐久間弦太(編集者):榎本佑

都筑睦夫(貸本屋):鈴木慶一

ぬらりひょん徳井優

火消し婆:石垣光代

川男1:吉岡睦雄

川男2:宇野祥平

小豆洗い:伊東麻実子

金内志郎(間借り人):村上淳

武良琴江(母):南果歩

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