現実の生きる力ってもっとエグいよね。昌幸みたいに。
深夜のまさりんです。深夜に書いて次の日に出します。
酔っていないのですが、夕方というより夜にジョギングをしたために、ちょっと身体がほてっているまさりんです。
1,真田丸は三谷作品
大河ドラマ「真田丸」が流行っている。「真田丸」とは大坂の陣で幸村が築いた大阪城の出城である。内容については賛否があるらしい。「あんなのありっこねえよ」みたいな話が不評を買っている。確かに、織田信長が唯一奴隷として所有していた黒人以外にも、外国人が城の警備をしていた。ワインを普通に町中で飲んでいた。などと、ありえるかありえないかすれすれの場面が存在する。
まあ「三谷幸喜だから」の一言でそれを片付けてあげるのが大人の作法だとしよう。ここでは。なぜなら、そこを深く追求するのが、今回の記事の目的ではないのだ。
2,役所が好む、きれいな生きる力。
文科省が「生きる力」というキーワードを出してからずいぶん経つ。
文科省が提示する「生きる力」とは
・確かな学力
<基礎的な知識、技能を習得し、それらを活用し、自ら考え、判断し、表現することにより、様々な問題に積極的に対応し、解決する力>
・豊かな心
<自ら律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心などの豊かな人間性>
・健康・体力
<たくましく生きるための健康や体力>
であるらしい。ちょっと最近文学寄りの考えをしている自分としては、人間性とは欠落にあるように思う。これを全部満たしている人間とはあまりつきあいたくない。
「豊かな心」にあるように「自らを律し」ているのに、「他人を思いやり、感動する」人間はなかなかいない。いつも泣きながら叫んでいる照英はここに入らない。「他人を思いやり」ながら「他人とともに協調する」ことはかなり困難だ。自らを律している人間は他人に対して狭量になる。
世のリーダーはその縁スレスレを歩いているのである。完全に他人を思いやっていたら、組織はぼろぼろだ「自ら考え」、「判断」し、すばらしいアイデアをすべて「表現する」人間を馬鹿という。
ましてやそんな資質を育てるのは不可能だ。なぜかといえば、これらをすべて備えるのは生来の気質であり、教師に育てられるようなものではない。現実の教師の資質を越えているからだ。
全部満たすのは無理である。それを考えれば、それを表面的に満たしている人間とは、教師からは「ずるい人間」に見えるだろう。心底から信用されない人間になるか、周囲を謀りきるか、どちらかになる。人との距離を熟知し、時には道徳すら利用する、そんな人間だ。
イギリスでは政治家自らを縛ることになろうとも、健康と教育を国民に与えるということを誇りに思っているらしい。結局、こういう人間にはなれないと、国民を馬鹿にしているというのが文科省の態度であろう。
3,真田丸の昌幸が持っているのは生きる力だ。でも、周囲からすれば。
「生きる力」を「ずるさ」と仮定すると、「真田丸」の昌幸とはこの「ずるさ」を多分に持っている武将だ。若いころに武田信玄に見いだされた昌幸。その才覚を江戸幕府成立スレスレの時期まで発揮する。最後どうなるか。歴史ファンなら知っているだろうけど。
小国なのに大混乱期を乗り切り、徳川に一矢を報い続けた才覚である。個人的には、「大ばくちじゃあ」よりも、「だまれ、小童ぁ」よりも、昌幸の好きな台詞がある。
それは信長が死んだ後に、信之にどうすると問われた昌幸が放った一言、「まったくわからん」だ。我々は歴史でこの後どうなるのか分かっているが、この当時の昌幸には見えないことなのだ。
※ご家族の会話入り。
4,でも昌幸って……。
あらゆる手を使って生き残りを画策する昌幸のほうが、ロートル教師の説教を聞くよりもためになるだろう。
それにしても昔幸村をやったという草刈正雄の大げさな演技は時代劇に合うね。
「(第二次大戦で)生き残っているヤツは卑怯者で、我々は卑怯者の子孫」と言い放っちゃった、どこかの人がいたけれども、それとはべつの意味で、生きる力のある人って、ワイルドで、「ずるい」ヤツだ。
昌幸もそうで、大河でも出てくるが、調略で裏切らせた人間を簡単に捨て駒として使ったり、同盟を結んだ相手を利用したり、と「ずるい」行為のオンパレードだ。だが、生き残ったヤツが勝ちなのである。
ただ、この手の人間が天下を取れないというのも、またセオリーである。
久しぶりに大河を見たが、結構楽しんでいる。
最近の洋画ばりのはやい演出では、なかなか役者の演技の間がないのかもしれないが、それも良し。はじめに信長の野望みたいに、前話のあらすじが流れるのも良し。おもしろいからいいや、なんでも。眠い。
masarin-m-dokusho.hatenablog.com
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バグが出まくっているらしいので、PC版は出しません。